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2014年5月19日 (月)

『ミレー展』 ~切なく懐かしい空~

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日曜に、久しぶりに学生時代からの友人と会い、名古屋ボストン美術館ミレー展に行ってきました。

その友人は、「バルビゾン派の人たちの描く“空”が好き」とのことですが。。。

本当に、ミレーやコローの描く農村や森の上に広がる、特に夕暮れどきの空には、懐かしいような、切ないような、なんとも言えないノスタルジックな気持ちを呼び起こされます。

ミレーの描く夕暮れの農村の情景からは。。。

刻一刻と移り変わる空の色。
少し冷んやりした空気の香り。
足の裏に伝わる草や土の感触。
一日働いた後の心地よい疲れと、ひと時の休息を迎える開放感などを感じます。

トップの写真は、今回のチラシで、ミレーの代表作『種をまく人』の絵です。

それまでは、絵画のモチーフと言えば、神話やキリスト教などだった1800年代半ばに、社会的身分の低い農民を描いたミレーは、当初、美術界に衝撃を与えたようです。

特に、この作品が1850年に発表される2年前に、フランスの2月革命(農民など無産階級の人たちのストライキ)が起きたので、それに関連付けて解釈され、いろいろな物議を醸したそうです。

でも、ミレーは、農民たちを、「搾取された人たちだ」とか「農民を救おう」という視点で描いてるようには見えませんね。

それに、「労働の美しさ」とか、そんな道徳を訴えてるようにも思えません。
(受け取る側からすれば、労働の美しさも伝わってくる作品だとは思いますが、ミレー自身は、それを世の中に訴えるのをメインの目的に描いてるようには、あまり思えません。私は。)

堂々と英雄のように描かれた「種をまく人」や、淡々と静かに作業する人たち。

自然とともに生きる農民の中に、生きる喜びと人生の美しさや深淵さ、崇高な神の姿を見ていたのではないかという気がします。

農民が力強く「種をまく」という行為も、「生命を生み出す神の業」と重なって見えますし。

もしも訴えたいものがあるのなら、社会への抗議や道徳じゃなくて、そういうことなんじゃないかと。

ミレー自身、ノルマンディーの裕福な農家に生まれ、絵の才能を発揮するために、パリに移り住んだ時も、都会にあまり馴染めなかったと言われていますので、ミレーにとって、やはり農村は安らげる場所だったんじゃないかと思います。

華やかさがなく、閑かで暗い色使いなのに、切なくも安らぎを感じる絵が多いのは、そのように、ミレー自身が農村生活に安らぎと喜びを感じていたからでしょうか。

そんなミレーの作品は、都会に住む当時の人々の郷愁を誘い、徐々に人気を得ていったそうです。

ミレー展は、8月31日までやってるようですので、切なく懐かしい空の色と、農民たちの姿に郷愁を誘われ、どこか心安らぐ空気を感じたい方は、ぜひお出かけになってみては?

※ボストン美術館公式サイト→ http://www.nagoya-boston.or.jp/

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