『レ・ミゼラブル』 ~天国の扉を開ける鍵は?~
いつもお世話になっている、ご近所のMさんが、公開中の映画『レ・ミゼラブル』 に誘ってくださったので、先日見てきました。
友達の年賀状にも「すごく、よかった!」と書いてあったのですが、本当によかったです。
原作者は、言わずと知れたヴィクトル・ユーゴー。
以前の記事 で書かせていただいた『ノートルダムの鐘』の原作者と同じです。
この映画も、原作に忠実なストーリーではないようで、ミュージカルに沿ったストーリーのようですが、やっぱりここでも、原作の持つ共通のテーマが感じられます。
つまり、“「正しさ」や「正義」というのは、曖昧なもので、善にも悪にもなりうるけれど、「愛」や「赦し」は、 永遠の真理だ”というようなことです。
この映画は、大作なので、他にもいろんな視点で見ることができるんですが、私の場合は、やっぱり、そのテーマが一番印象的でした。
ここに出てくるジャベール警部は、『ノートルダムの鐘』のフロロー判事にあたるんですが、彼もやはり、「法が全て」という信念のもと、人のどんな小さな過ちをも見逃さず罰することが正しいと信じて、冷酷な行動を取り続けるんですね。
ジャン・バルジャンの罪を赦した司教や、その愛に触れて恨みを忘れ、自らも愛と赦しの道を生きたジャン・バルジャンとは、対照的です。
この映画の登場人物で愛ある人達は、みんな当時の法のもとでは悪人とされ、冷酷な人でも法に従っていれば正しいとされています。
その社会の理不尽さもヴィクトル・ユーゴーは書きたかったんでしょうか?
この映画では、冷酷なジャベールは、最後に、自分の信じていたことが間違いだったと気づき苦しみます。
その苦しみこそ、いわゆる「地獄」というものなのかもしれません。
ジャベールが、「天国」に行くためには、たぶん、自分を「赦す」ことも不可欠なんじゃないでしょうか?
反対に、ジャン・バルジャンは、自分を赦して、人を赦して生きています。
そして、孤児になってしまったコゼットという、愛し守らなければならない存在に出会ったことで強くなります。
(ご苦労されたシングルマザーの方も、よく「この子がいたからこそ生きてこれた。」とおっしゃいますが、)自分が誰かに必要とされること(依存されるんじゃなくて)や、人を愛することは、生きるパワーになるんだと思います。
「天国も地獄も、この地上にあるんだ」とも言われますが、地上でも、別の次元でも、「天国」の扉を開ける鍵は、「愛すること」と「理解して赦すこと」なんじゃないかと思えます。
この作品では、他にも、素晴らしい登場人物や名演技などのたくさんの見所があります。
純粋な少年ガブロースや、愛する人の幸せのために、自分の気持ちを抑え、その人の恋愛の手助けをするエポニーヌ。(二人とも詐欺師まがいの両親の元で育っているようですが、心美しいのです!)
娘を守るために、最後には自分の身を売らざるをえなかった薄幸なフォンテーヌを演じるアン・ハサウェイや、詐欺師まがいのマダム・テナルディエを、ちょっとコミカルに演じるヘレナ・ボナム・カーターの女優魂などなど。
まだ映画館で上映中の映画なので、映画館で見たい人は今がチャンスです。
(ハンカチ、ティッシュ、マスクの持参は必須です。)
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