『麦秋』 ~結婚の条件?~
http://www.youtube.com/watch?v=ya3kdw47mrI
世の中が不況の今、20代初めから婚活に打ち込む女性が増えているそうです。
そして、理想の相手の条件には「なるべく良い会社の正社員」というのが入っているとのことです。
景気の良かったバブル時代には、結婚よりキャリア志向の女性も多かったんじゃないかと思うと、それも生存本能でしょうか?
ほとんどの女性は、本当は、結婚に“心のつながり”を一番に求めていると思うんですが、同時に、肉体を持った生物として、その時代に生き残るための条件を、無意識に選んでいるのかもしれません。
でも、もしそうなら、どんな会社もいつ倒産するかわからない世の中だからこそ、組織に頼らなくても、どんな境遇になっても、それなりに前向きに生きていけそうな人がいいんじゃないかとも思ったりします。
(もちろん人間的に素晴らしい優良企業の正社員の方はたくさんいますので、あくまで、第一条件が“優良企業の正社員”でなくてもいいという意味なんですが。)
もっと言うなら、「この人なら自分を幸せにしてくれそう。」じゃなくて、「この人となら、何があっても一緒に頑張れそう。」と思える人。
どんなに時代は変わっても、変わらない本質的なことはあるんじゃないかと思います。
最近、20代の女性の話を聞いたり、自分のことも含めて、そんなことを考えていたところ、たまたま出会った映画が、小津安二郎監督の『麦秋』です。
1951年の作品だそうで、私も生まれるだいぶ前の作品ですが、古い映画ならではの良さと、今の時代にも通じる大切なものの両方が感じられる映画でした。
たとえば、昔の日本女性の所作や言葉遣いの美しさは、古い映画ならではですし、登場人物の結婚観や家族の思いなどは今の時代にも通じるように思いました。
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ストーリーはシンプルで、間宮家の娘の紀子(原節子さん)が、お嫁に行くまでの日常の家族の様子を描いたものです。
紀子は28歳(当時の28歳だから、今の38歳くらいの感覚かもしれません。)になっても、まだ独身で、ある時、会社の上司からお見合い話が来ます。
相手は、有名商社に勤務して、実家も旧家で、なかなかハンサムらしく、もちろん初婚。
家族も乗り気で、本人もまんざらでもなさそうに見えます。
そんなある日、紀子の家族は、その相手の年齢が40歳(今の50歳以上の感覚?)と知ります。
「ひとまわりも、年が上の人では可哀想。」と、突然がっかりする母親と兄嫁に対し、「紀子だって、もう年だから贅沢言える身分じゃない!」と怒る兄(長男)。
どちらも、真剣に紀子の幸せを考えてのことですが、家族の中で対立が生まれます。
けれども、最後に紀子が、ひょんなことから、あっけなく結婚をOKしたのは、戦死した兄(次男)のかつての親友で、早くに奥さんを亡くしたシングル・ファザーの貧乏な医者。
お見合い相手より条件の悪い、子持ちの男性との結婚を、何の相談も無しに一人で勝手に承諾してきてしまった紀子を、家族全員が心配したのは言うまでもありません。
紀子が、結婚を決意した理由は、ただ一つ。
人間として信頼できる人だ(と気づいた)から。
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恋愛映画ではないため、その相手は、あまりたくさんは登場しないので、特別目立った魅力を発してるわけじゃないんですが、その人も、紀子と同じ本を読んでいたりして、きっと価値観も合ってたんだと思いますし、誠実で、お母さんを大切にしつつも、決してマザコンではないことがはっきり分かる場面もあります。
私が紀子だったら、同じようにしたかもしれません。
確かに、外側の条件が、まったく重要じゃないとも言い切れません。
たとえばの話、ベジタリアンの私は、真面目に働いているお肉屋さんの個人的な人間性は否定しませんが、結婚して一緒にお肉を売るというのは、ちょっと違う気がします。
(そんなこと言ったら、紀子のお兄さんに「贅沢言える身分じゃない!」と怒られそうですが。。。
一人で生きていくことも厭わないなら、それは贅沢ではないと思うんです。)
でも、そういう話じゃなくて、“安心材料”として条件を重視しているなら、考えてみてください。。。
外側の条件は、不況や災害など、ふとしたきっかけで簡単に変化してしまうもの。
内側の人間性は、良くも悪くも、そんなに簡単に大きく変わらない。
だったら、やっぱり、“何が起こっても、一緒に頑張れそうな信頼できる人”っていうのが、大切な気がします。
でも、私は、こういう話をするには適任ではないので、私の話をあんまり真面目に聞きすぎても、結婚できなくなったり、失敗する可能性があるので、話半分くらいに聞いてください。
ただ、もしも、「条件だけが引っかかって、前に進めない。」なら、本人が良ければ、あまり完璧な条件は必要ないと思いますし、
「理解し合える人と共に暮らせたら理想的だけど、一人でも生きてく覚悟がある。」ということなら。。。
あくまで、私の場合はですが。。。やっぱり自分の心に嘘はつけないので。。。
外側の条件や、周りの意見で、結婚を決めるよりも、
“何が起こっても、一緒に頑張れそうな信頼できる人”に出会えても出会えなくても、
相手から見て、私が、そういう存在だと思ってくれる人がいてもいなくても、
私自身、“何が起こっても、心平和に頑張れる人”でありたいと思ってます。
(頑張るっていう言葉も、ちょっと肩に力が入りすぎに聞こえるかもしれませんが、他にわかりやすい言葉がないので。。。あえて他の言葉にすると「努力しつつ、淡々と丁寧に過ごす」って感じでしょうか?)
『麦秋』のラストシーンをYouTubeで見つけました。
↓ ↓
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